Kaonic hydrogen

K中間子水素(Kちゅうかんしすいそ、英: kaonic hydrogen)は、負の電荷を持ったK中間子と陽子が束縛されたエキゾチック原子である。 水素原子の電子と陽子は、電磁相互作用(クーロン力)のみで束縛されている。一方、K中間子と陽子の束縛状態の場合、2つの粒子はハドロンであるから、クーロン力による引力だけでなく、強い相互作用の影響も受けることになる。このため、K中間子水素に関する実験は強い相互作用の性質を知るために重要である。 実験において、K中間子水素は粒子加速器によって生成したK中間子を水素標的中で静止させることで作られる。生成したK中間子水素は励起状態であり、これが脱励起して基底状態へ落ちる際に放出されるX線を観測することで、強い相互作用の影響によるエネルギー準位のずれやその崩壊幅を測定することができる。K中間子水素は非常に短い寿命の準安定状態であり、寿命に対応する崩壊幅は、およそ500eVである。 K中間子水素の研究と関連して、K中間子重水素やK中間子ヘリウムなどのK中間子原子核の研究も注目されている。

Kaonic hydrogen

K中間子水素(Kちゅうかんしすいそ、英: kaonic hydrogen)は、負の電荷を持ったK中間子と陽子が束縛されたエキゾチック原子である。 水素原子の電子と陽子は、電磁相互作用(クーロン力)のみで束縛されている。一方、K中間子と陽子の束縛状態の場合、2つの粒子はハドロンであるから、クーロン力による引力だけでなく、強い相互作用の影響も受けることになる。このため、K中間子水素に関する実験は強い相互作用の性質を知るために重要である。 実験において、K中間子水素は粒子加速器によって生成したK中間子を水素標的中で静止させることで作られる。生成したK中間子水素は励起状態であり、これが脱励起して基底状態へ落ちる際に放出されるX線を観測することで、強い相互作用の影響によるエネルギー準位のずれやその崩壊幅を測定することができる。K中間子水素は非常に短い寿命の準安定状態であり、寿命に対応する崩壊幅は、およそ500eVである。 K中間子水素の研究と関連して、K中間子重水素やK中間子ヘリウムなどのK中間子原子核の研究も注目されている。