Vemacitrin

ヴェーパチッティ(パーリ語ラテン転写:Vepacitti)とはインド神話、仏教におけるアスラの王である。毘摩質多羅阿修羅王(びましったらあしゅらおう)ともいう。同じアスラの王であるラーフに語りかける場面とインドラに幻術で病を治すことを断った説話で有名である。初期経典のSaṃyutta-Nikāyaの第二章Devaputta-saṃyutta第九経、第十経のCandinaに登場する。パーリ語文献では六道を認めずヴェーパチッティアスラ衆は天界に属する。 その時、神の子である月[の神]がアスラの王ラーフに(Rāhumā asurindena)に補えられていた。そこで神の子である月[の神]が世尊を思い出してその時に次の詩をうたった。 と。 — 並川 孝儀 、 「ラーフラ(羅睺羅)の命名と釈尊の出家」 『佛教大学総合研究所紀要』(4)、1997年、p.27一 [或るとき尊師は]サーヴァッティー市のうちの[ジェータ林にとどまっておられた。] 二  尊師は次のように言われた、― 三 「修行僧たちよ、昔、阿修羅の主であるヴェーパチッティは、病いにかかり、苦しみ、病患が激しかった。 四 そのとき、神々の主であるサッカは、病気を見舞うために阿修羅の主ヴェーパチッティのところに赴いた。 六 [サッカいわく、―]『ヴェーパチッティよ。サンバラの幻術をわれに知らせよ』

Vemacitrin

ヴェーパチッティ(パーリ語ラテン転写:Vepacitti)とはインド神話、仏教におけるアスラの王である。毘摩質多羅阿修羅王(びましったらあしゅらおう)ともいう。同じアスラの王であるラーフに語りかける場面とインドラに幻術で病を治すことを断った説話で有名である。初期経典のSaṃyutta-Nikāyaの第二章Devaputta-saṃyutta第九経、第十経のCandinaに登場する。パーリ語文献では六道を認めずヴェーパチッティアスラ衆は天界に属する。 その時、神の子である月[の神]がアスラの王ラーフに(Rāhumā asurindena)に補えられていた。そこで神の子である月[の神]が世尊を思い出してその時に次の詩をうたった。 と。 — 並川 孝儀 、 「ラーフラ(羅睺羅)の命名と釈尊の出家」 『佛教大学総合研究所紀要』(4)、1997年、p.27一 [或るとき尊師は]サーヴァッティー市のうちの[ジェータ林にとどまっておられた。] 二  尊師は次のように言われた、― 三 「修行僧たちよ、昔、阿修羅の主であるヴェーパチッティは、病いにかかり、苦しみ、病患が激しかった。 四 そのとき、神々の主であるサッカは、病気を見舞うために阿修羅の主ヴェーパチッティのところに赴いた。 六 [サッカいわく、―]『ヴェーパチッティよ。サンバラの幻術をわれに知らせよ』